起こせ!!ICT活用によるイノベーション

2015年5月27日

ITC中部 ブランドデザイン委員 吉田 成一

   

1.イノベーションとは?

 まず、イノベーションの定義から御説明致しますと、意外にその歴史は古く1912年にシューンペーターが以下のように定義しております。

 物事の「新結合」、「新機軸」、「新しい切り口」、「新しい捉え方」、「新しい活用法」(を創造する行為)のこと。

 また、2007年に内閣府のイノベーション25での定義では、

 イノベーションはこれまでのモノ、仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすこと、となっております。

 内閣府の定義は、シューンペーターの定義と似ていますが、非常に理解しやすく定義されていると思います。私としては、「新たな価値の創造と社会的に大きな変化を起こす」ことが重要であり、イノベーションそのものであると思います。よって、新たな価値を生み出したとしても、社会的に大きな変化を起こさなければイノベーションと言い難いことになります。

   

2.ビジネスイノベーション

 それでは、過去に起こったイノベーションを例に類型化してみます。イノベーションを分類すると以下の三つとなります。

① プロセス・イノベーション(業務プロセス改革)
製造方法や工程の改良によって費用を削減し競争優位を達成するイノベーションです。例えば、ベルトコンベアを使った大量生産によって、安価に車を提供できるようになった「T型フォード」が挙げられます。製品プロセスにイノベーションを起こし、顧客が購入できる価格帯で自動車を提供し、他社を圧倒することに成功しました。

② プロダクト・イノベーション(製品・商品・サービス開発)
新製品の開発によって差別化を実現し競争優位を達成するイノベーションです。例えば、据置型が当たり前だった音楽プレーヤーを持ち運び型にした「ウォークマン」は大ヒットとなりました。このように製品そのものに大きな革新が加えられたケースです。

③ ビジネスモデル・イノベーション(ビジネスモデル改革)
組織のビジネスの最も中核をなす部分を革新し、新たなビジネスの仕組みを構築するイノベーションです。例えば、音楽や映像だけでなく、あらゆるコンテンツを流通させる大規模なプラットフォームとなっている「iTunes store」が挙げられます。

   

3.ICTが関わるイノベーション

 それでは、次にICTが関わっているイノベーションの例を一つ御説明致します。建設機械・車両のコマツが展開している「KOMTRAX」という仕組みです。

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(引用元)http://www.komatsu-kenki.co.jp/service/product/komtrax/

 1998年頃に盗んだ油圧シャベルでATMを壊して現金を強奪する事件が多発していました。そのため、その盗難対策として「建設機械にGPSをつけたらどうか?」と言うところから、この仕組みはスタートしています。

コマツが独自開発したGPSおよび移動体通信などのITを活用した仕組みを構築し、2001年から「KOMTRAX」が標準搭載されるようになりました。

それでは、ITを活用した仕組みですが、盗難対策として搭載されたGPSから様々なデータを取得して、「保守管理」・「車両管理」・「稼働管理」・「車両位置確認」・「省エネ運転支援」・「帳票作成」といった機能があり、車両情報を無償でお客様に提供できる仕組みを構築しました。

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(引用元)http://www.komatsu-kenki.co.jp/service/product/komtrax/

 上述のように、車両情報を提供することによりお客様の保有車両の稼働率向上や維持費の低減等、機械のライフサイクルでのサポートに貢献し、KOMTRAXを標準搭載したコマツの建設機械がお客様から選ばれる存在となりました。

  

4.イノベーションの思考

 次に、イノベーションを起こすための思考について御説明致します。思考には、ご存じの通り二つあります。左脳を使った、命題(論理)で表す「ロジカル思考」と右脳を使ったイメージ(映像)で表す「クリエイティブ思考」です。

 イノベーションを起こすために必要な思考はお分かりかと思いますが、「クリエイティブ思考」です。ただ、あまりに奇抜な発想過ぎても誰にも受け入れられないものではイノベーションではないのです。最初の定義にもあるように「新たな価値の創造と社会的に大きな変化を起こす」ことが出来なければイノベーションではありません。そのため、左脳であらゆる方向にアイデアを飛び散らせ(拡散的思考)、右脳を使って論理的に裏付けていく、ちょうどそのバランスのとれた時に認められるイノベーションとなるのです。

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(引用改編元)受講したe-ラーニング「ビジネススクール(入門)」

  

5.まとめ

 私は、ICTによるイノベーションには「直接的なICTイノベーション」と「間接的なICTイノベーション」の二種類があると考えています。

 まず、「直接的なICTイノベーション」ですが、Facebook・Google・iTunes Store・SAP(業務基幹システム)に代表されるICTそのものを利用したプロダクト・イノベーションです。

 次に、「間接的なICTイノベーション」ですが、プロセス改革(ワークスタイル変革含む)や新商品/新サービスにITを活用するプロセス・イノベーションです。

 私は、日本の強みは「間接的なICTイノベーション」だと思います。ICTを間接的に利用したイノベーション創出をしていくことに非常に優れていると思います。一方で、ICTを直接的に利用したイノベーションの創出は上記にも上げた通り米国が非常に優れていると思います。

 今日までの日本は、規定された品質の製品を作ること・既製品に対して改善することを得意としてきました。今後の日本においては、新たなビジネスモデル・プロセスを作り出すこと、日本が得意とする「間接的なICTイノベーション」、いわゆる「○○×IT」の創出が出来るように右脳を最大限利用した社会へとシフトしていく必要があると思います。

   

※ICT(Information and Communication Technology):情報通信技術のこと。

※参考書籍:プロセスで解き明かすイノベーション

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